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浮気に関する、とある判決が話題となっています。
ある女性が、慰謝料400万円を求め、銀座のクラブのママを訴えました。女性の夫が、7年間くりかえし銀座のママと性交渉を繰り返していたというのです。
ですが、裁判所は妻の請求を退けました。クラブのママが行っていたのは「枕営業」であり、不法行為にはならないという判決です。妻が控訴しなかったため、判決は確定しています。
確かに、風俗嬢の場合は完全な仕事なので、妻が慰謝料を請求することはできないというのが一般的な考えです。
※参考:夫の風俗(ソープ・デリヘル)通いは不貞行為?
今回は、枕営業もそれと同じだという判断です。7年間も同じ相手と行為を繰り返していても、そこに恋愛感情がなかったと言い切れるのか、弁護士や多くの人の関心を集めています。
枕営業と言うからには、男性がお店へ行ってお金を使っているということですよね。お店へ通っていなければ、ただのお店で知り合った不倫関係だと判断されるでしょう。
「枕営業は浮気ではない」は間違い!
男性が勘違いしてしまいそうな判決です。「クラブのママとなら浮気しても問題ないのか!」と思った方は、残念でした。今回のケースでも、夫への離婚・慰謝料請求は可能です。枕営業に限らず、ソープなどでも本番行為があれば、「夫の不貞行為」になります。ただ、相手の女性は仕事として行ったことなので、相手女性へ慰謝料の請求ができないだけなのです。今回の裁判官でも、妻が夫を訴えた場合は、夫の不法行為を認める可能性があります。
ただ、浮気が発覚しても、妻が離婚を望まない場合、法的に夫に制裁を加えようとするケースは少ないのです。
※参考:離婚しなくても慰謝料請求できるか?
愛人契約の場合はどうなるの?
女性にお金を払えばいいなら、愛人契約にすればいいんだ!と思うかも知れません。ですが、上記の通り、あくまでも夫の不法行為は免れません。
確かに仕事で性欲処理の相手をしていたと裁判官が判断した場合、今回同様、女性への慰謝料が認められない可能性はあります。
そうは言っても、今回の判決は過去の判例と比べても「異例」と言えます。ほとんどの愛人契約をしている女性は、相手の妻から訴えられれば慰謝料を支払わなくてはならないでしょう。その分のお金を前もってもらうために、愛人契約を結ぶという考え方はあるかもしれませんが…
今回の裁判でも、妻が控訴すれば判決がくつがえった可能性はおおいにあります。それなのに控訴しなかったというのは、妻と夫との間でなんらかの約束がなされたのかも知れません。「もう二度と会わないから、控訴しないでやってくれないか?」という話し合いがあったのではないかと想像できます。妻の目的は、クラブのママからお金を支払ってもらうことでは無かったのかもしれません。いずれにせよ、夫が大きな代償を支払ったのは間違い無いでしょう。
今回、離婚はしていません。これからも共に生活していく以上、夫との関係悪化を恐れたとも考えられます。
そもそも売春って違法じゃないの?
日本には、売春禁止法という法律があります。ある意味、枕営業や愛人契約は売春であると言えるでしょう。
売春禁止法が禁じているのは、「売春を助長する行為」です。売春の勧誘や、売春をさせる行為などに対して罰則が定められています。
実は、売春そのものの行為自体は、違法ではあるものの、罰則は定められていません。
あれ?じゃあ売春を斡旋しているソープランドは違法だよね?と思ったかも知れませんね。実はソープランドは「自由恋愛」ということになっています。お店に支払うのは「入浴料」で、ソープ嬢へは手渡しで「サービス料」を支払うのです。個室内で何が行われているのかは、お店としてはあずかり知らぬこととなっています。法律の抜け穴を利用しているのです。
だったら、直接取引である援助交際なら大丈夫だと思うかも知れませんが、相手が18歳未満の場合は「児童買春・児童ポルノ禁止法」や「淫行条例」にひっかかることになります。
今回の判決が話題になったことで、「玄人女性となら性交渉しても不倫にならない!」と勘違いする男性が増えないことを願います。
Twitterなどでは、やはり勘違いしている書き込みが多いです。浮気の言い訳として使ってくる男性が増えるかも知れませんが、落ち着いて対処しましょう。