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弁護士は報酬を自由に決められます
2004年までは、弁護士会で報酬基準が定められていました。ですが、現在ではそれぞれの弁護士が自由に料金を設定できます。もちろん、支払う費用がいくらになるのかは、依頼者と弁護士とが話し合って決めるものなので安心してください。
基準が無いということは、相場が無いとも言えます。有名な法律事務所であれば高い費用を払ってでも依頼したいという人はいるでしょうし、駆け出しで経験を積みたい弁護士であれば、格安で請け負ってくれるかもしれません。また、地域によっても価格差があります。
そうはいっても、目安は無いの？
費用への不安を解消するために、2008年に日本弁護士連合会が弁護士報酬についてアンケートを行っています。（市民のための弁護士報酬の目安 PDF45ページ）
そのアンケート結果から、離婚に関連する費用の相場を紹介していきます。
まずは弁護士費用の仕組みについて知ろう
【着手金】
結果にかかわらず支払う費用のこと。途中で弁護士を解任した場合でも基本的には戻って来ません。たとえ裁判で負けたとしても同様です。一旦預ける手付金でも、成功報酬の前払いでもないので注意してください。
【成功報酬】
結果に応じて支払う費用のこと。完全に敗訴した場合などは発生しません。
つまりは、着手金と成功報酬を合計したものが支払う費用となります。この他に、裁判所に納める印紙代などの実費や、出張が必要な場合の交通費・宿泊費・日当、書類作成時の手数料などが依頼内容によって必要になります。
離婚調停の費用
(必ずしも弁護士を頼む必要はありませんが、弁護士を付ける人も増えています。)
着手金…20万円～30万円前後（20万円前後が45.1%）
報酬金…20万円～50万円前後（30万円前後が39.6%）
離婚調停不成立後に離婚訴訟した場合
着手金… 0円～30万円前後（10万円前後が42.5%）
報酬金…20万円～50万円前後（30万円前後が36.2%）
調停は頼まずに離婚訴訟からの場合
着手金…20万円～40万円前後（30万円前後が52.7%）
報酬金…20万円～50万円前後（30万円前後が37.1%）
このケースの場合、おおむね40万円～60万円程度が相場だと言えるでしょう。
慰謝料の額、財産分与の有無などによって大きく金額が変わります。慰謝料等の金銭的な利益の10％～20％を報酬金にプラスするのが一般的です。
かなり格安の弁護士の場合、「着手金10万円、報酬金は利益の10%のみ」といったケースもあるでしょう。その場合でも慰謝料が200万円なら、着手金10万円+報酬金20万円で、最低30万円はかかってしまいます。
■（例）離婚後、夫の不倫相手から慰謝料200万円を受け取る場合
（300万円を請求して訴訟。200万円で和解。夫から慰謝料は受け取っていない。）
着手金…10万円～30万円前後（20万円前後が54.6%）
報酬金…20万円～30万円前後（20万円前後が53.1%）
つまり、最低でも50万円は覚悟してください
着手金については、離婚調停の場合は20万円、離婚裁判の場合は30万円が相場になります。
報酬金も、それぞれ同じように20万円～30万円で、それに慰謝料などの利益の10%～20％が増額になると考えてください。さらにに実費が追加されるので、どうしたって50万円はかかると考えた方が良いでしょう。慰謝料が高額になれば、数百万円かかることもめずらしくありません。
ちなみに、逆にあなたが慰謝料を請求される側だった場合は、300万円請求されているのを200万円に減額できれば、100万円の利益となります。この100万円の10%～20%が弁護士への報酬金へ追加となります。
財産分与や親権、養育費などでも争うとしたら、別途着手金と報酬金が発生することも。ここまで書いておいてなんですが、ネットで相場を調べても、あなたのケースに当てはまることは無いんです。
着手金を安くする代わりに、報酬金を高く設定することもありますし、その逆もあります。
必ず、総額でいくらかかるのかをいくつかの弁護士事務所へ聞いてみてください。100万円違うなんてことは、よくあるからです。
もちろん弁護士は、金額だけで選ぶものではありません。まずは話を聞いてもらって、信頼できる人かどうか確かめましょう。
離婚調停の場合は、弁護士を代理人として立てずに、その都度、有料の法律相談を利用して自分で調停に臨むという選択肢もあります。そうすれば、弁護士への相談料（一時間あたり5,000円～10,000円が相場）だけで済みます。
