事実でも名誉毀損？夫の浮気相手への復讐なら

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どうして自分だけが辛い思いをしなくてはならないのか…
夫を許せないのはもちろんですが、浮気相手の女も憎い。復讐したい。
他人の家庭の幸せを壊した罰を受けて欲しいと思うのは、当然です。

ただ、法律を破ってまで復讐するのは考えもの。あなたの今後の人生まで犠牲にする必要はないのです。
合法的に制裁を加えることで責任をとってもらいましょう。

名誉毀損などやってはいけない復讐

相手の職場へ不倫の事実を知らせる
社会的な制裁を加えることで仕返ししたいという気持ちもよくわかります。会社へ知らせることで「会社から解雇されてしまえ」「会社の人たちから白い目で見られればいい」と思う人も多いでしょう。
残念ながら、そういった暴露を目的として相手の会社へ不倫を知らせることは、刑法230条の「名誉毀損」に当たります。
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立します。訴えられれば、3年以下の懲役若しくは禁錮または50万円以下の罰金がかせられます。
また、民事上でも損害賠償請求される可能性があります。
例外として、政治家の不倫が週刊誌などで報道されるのは「公共の利害」に関することなので名誉毀損には当たりません。
相手の会社へ連絡する必要がある場合は、不特定多数へ知られることの無いよう気をつける必要があります。
会社へ怒鳴り込んで直接対決したいかもしれませんが、抑えてください。
社内不倫だった場合、夫の上司へ相談することで不倫が終わることもあるでしょう。ただし、会社の規定で夫も不倫相手もクビになる可能性があります。
そうなった場合、無い袖は振れないため慰謝料を受け取るのが難しくなるかも知れません。

匿名で抽象的なビラをばらまく
名誉毀損にならないように、内容を少しぼかしたり、モザイクを入れた写真などを入れたビラを撒いた場合はどうでしょう。
「○○さんは浮気者だ」などです。実はこの場合は、「具体的な事実」ではないため名誉毀損には当たりません。
ただし、今度は刑法231条の「侮辱罪」です。30日未満の拘留または科料となります。科料とは1,000円以上10,000円未満の財産刑です。罰金と違うのは、金額が10,000円未満であることです。
名誉毀損よりもかなり軽いですが、犯罪であることは変わりありません。
インターネット掲示板などへの書き込みも同様です。

夫との行為の写真をネットで公開する
スマホが普及したため、画像がきっかけで浮気が判明するケースも多いです。夫が浮気相手との行為を撮影していることがあります。
その画像や動画をネットなどにアップする行為は、いわゆるリベンジポルノ（別れた恋人のヌード写真を公開する嫌がらせ）と同じですね。名誉毀損や侮辱罪に当たる可能性があります。
それだけでなく、内容によっては、わいせつ物頒布等の罪にも問われてしまいます。

脅迫行為「家族や勤務先に知られたくなければ…」
「別れなければ、会社に乗り込みます！」「家族にこのことが知られてもいいんですか？」「写真を公開されたくなかったら…」など害悪を告知することは、刑法222条の「脅迫罪」にあたります。さらにお金を脅し取ろうとすれば、刑法249条の「恐喝罪」になります。
普通に慰謝料を請求しようと思って内容証明郵便を送ったとしても、文章の書き方によっては脅迫罪や恐喝罪で訴えられてしまう可能性もあるんです。
感情的に自分で書いた文章を送るのはちょっと待ってください。

合法的に慰謝料を請求しよう

不貞行為の証拠があるのが前提となります。
浮気相手の氏名や住所などの情報を集め、慰謝料の支払いを求める内容証明郵便を送るのが一般的です。
これは、弁護士へ依頼しなくてもできるのですが、余計なことを書くと「名誉毀損」や「恐喝」となる可能性があります。
相手が優秀な弁護士を雇った場合、加害者だったはずの相手にやり込められてしまうかもしれません。
慌ててこちらが雇った弁護士には、「余計なことをしなければ100％勝てたのに…」と言われる始末。できれば最初から弁護士に相談してください。
浮気相手との条件が折り合わなければ、裁判へと進みます。そうなると多くの時間と弁護士費用がかかることに。
すべてを自分の思い通りにするよりも、ある程度は譲歩して交渉をまとめるのが得策です。金額などの条件がまとまったら、示談書（誓約書）をつくり署名捺印となります。
一般的にあなたが夫と離婚する場合の方が、離婚しない場合よりも高額な慰謝料を請求できます。

相手が既婚者のダブル不倫の場合
浮気相手の旦那さんも、あなたと同じく不倫の被害者です。あなたの夫へ慰謝料を請求できます。離婚する気がないなら、相手の旦那さんに不倫の事実が知られないように事を進めた方がいいでしょう。
そうはいっても、いつか気が付けば請求されます。お金なんてどうでもいいなら、堂々と請求すればいいでしょう。

いつまでも相手を恨むのは、あなたのためになりません
あえてすぐに内容証明を送らずに、浮気相手が別の人と婚約した時期に慰謝料を請求したという話もたまに聞きます。
それによって婚約が解消されれば、相手が受けるダメージはかなりのものです。
相手の婚約者からは感謝されることもあるでしょう。でも、このくらいにしておきましょう。

相手の人生をめちゃくちゃにしてやりたい。その気持ちも分かります。
ただ、相手がどんな人生を送ろうが、それはあなたの人生に関係ないんです。

ある人は、夫の浮気相手だった人へ定期的に内容証明を送っているそうです。
結婚の話が出る度に、縁談をつぶすのが目的です。
別の人は、就職が決まる度に不倫の事実を伝えて、内定や就職をつぶしているそうです。
これは、相手の最近の動向を把握していなくては不可能です。
この人達は、復讐のためだけに定期的に探偵を雇っているんです。
果たして、それは幸せなことでしょうか？

また、あまり人を追い詰めると、逆恨みした相手から報復を受けることもあります。
夜道にナイフで刺されたら、死んでしまうかも知れません。
相手の人生も終わりますが、そのためにあなたの人生をかける価値があるでしょうか。