探偵はどうやって調べるの?浮気調査の具体的な方法

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探偵は何をしてくれる?浮気調査の主な目的は、確実な証拠の入手ですよね。依頼された探偵は、実際には何をするのでしょうか?

調査員はいったいどうやって調べるのか、具体的な浮気調査の方法を解説します。

これを読めば、自分で尾行したり、写真を撮ったりするのがどんなに大変なことなのか分かるでしょう。

浮気の兆候を把握することに集中して、いざ調査する段階になったら、プロに頼むのが賢い解決方法です。

探偵に認められている調査方法

探偵・興信所を営業するには、警察庁に探偵業の届出を出さなくてはなりません。届出を出さずに探偵業を行っている違法業者には要注意です。
「探偵業の業務の適正化に関する法律」の第二条では、次のように定められています。

この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。

つまり、届出を出した探偵には、次の3つの調査方法が手段として認めらています。

1.聞き込み
調査する対象者に関係する人間(知人や友人やご近所の方など)に、直接話を聞いて、情報を集めることです。
対象者に、探偵が調べ回っていると気づかれないよう、細心の注意が必要です。探偵だと正直に話して聞き込みをすることもありますが、意外と身分を明かさなくてもしゃべってくれる人は多いそうです。
聞き込みは「人探し」や「素行調査」などでは重要な調査方法ですが、「浮気調査」の場合はほとんど行われないでしょう。

2.尾行
調査対象者に気づかれないように、後をつけることです。徒歩はもちろん、車やバイクも利用します。
ビデオカメラで撮影しながら尾行する探偵が多いです。どこで誰と落ち合ったか、どのビルに入ったかなどが分かるように、しっかりと記録します。
見失わずに尾行するだけでも大変ですが、対象者に怪しまれないように注意も必要です。移動手段は徒歩だけとは限りません。車やバイクの運転技術も求められます。

3.張り込み
対象者のことを監視します。ホテルや部屋から出てくるまで、車の中などでいつまででも待ち続けます。長くなれば、交代しながら張り込みますが、ときには1人で24時間以上も張り込むことも。
もしも近所の人に「怪しい車がある」と警察に通報されても、探偵の身分を明かし、業務中だと伝えれば問題ありません。
ちなみに、女性の調査員はトイレの問題があるため、長時間の張り込みには向いていません。男性の場合は、ペットボトルやビニール袋で用を足すことも。おむつを着用する強者もいます。

探偵に特別な権限はありません
届出を出したからと言って、探偵に特別な権利・権限が与えられるわけではありません。
探偵業法の第六条には「この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではない」と明記されています。
探偵は、欧米諸国の多くではライセンス制で、銃器の保持が認められたり、警察関係の情報が入手できたりします。ですが日本では何の権限もない、一般人に過ぎないのです。

実際の浮気調査では何をするの?

一眼レフカメラつまりは、配偶者の行動調査ですね。例えば夫が会社を終えてから帰宅するまでの行動を、すべて尾行し、張り込み、記録します。
休日に出かける夫を、自宅から尾行する場合もあります。

その中で浮気相手と落ち会い、最終的にラブホテルへ出入りする写真や映像を記録できたら、成功というわけです。
浮気相手が誰だか突き止めるなら、その後浮気相手が帰宅するまでさらに尾行することもあります。

浮気する日時がわかっているなら、1日で済むこともありますし、1週間程度に期間を絞って調査することもあります。
ある程度目星をしぼって調査をしてもらうことが、調査を安くおさえるポイントです。
お金に糸目をつけなければ、1ヶ月以上も毎日のように尾行してもらうことも可能です。

徒歩尾行通常は複数名のチームによる調査となります。例えば、会社の出入り口が2つあるなら、少なくとも2名は必要ですよね。タクシーや車で移動する可能性もあるなら、1名は車かバイクで待機しなくてはなりません。自転車で移動する対象者なら、自転車も必要です。
このあたりは、対象者の行動範囲や移動手段などによって、大きく変わってきます。
対象者が新幹線で移動すれば、調査員も同じ新幹線に乗り込んで追いかけなくてはならないのです。急遽、飛行機で外国まで着いていったという話もあります。

調査員は、無線や携帯電話で連絡を取り合って、徒歩や車で対象者を尾行します。
その間、ビデオカメラで動画を撮影したり、一眼レフで高画質な写真を撮ったりします。ほとんどの探偵社は、尾行中の途中経過を電話やメールなどで連絡してくれます。浮気相手の顔写真を、スマホにメールしてもらうことも可能です。
また、調査の途中でも、調査中止を決定することもできます。

そして、最終目標は決定的な浮気の証拠です。裁判でも有効な不貞行為の証拠は「ラブホテルへ2人で入るときの写真と、出るときの写真」となります。
このときの時間も重要です。泊まったり、ある程度(2~3時間)の時間が経過している必要があります。さすがに5分で出てきたとしたら、不貞行為の証拠とするのは難しいでしょう。
「不貞行為」というのは、判例ではいわゆる肉体関係のことを言うからです。
ラブホテルへ入るところだけでなく、しっかりと出てくるところも撮影してくれる探偵社を選んでください。

ビジネスホテルの場合は?
ラブホテルであれば、建物の出入り口の写真で十分な証拠になりますが、ビジネスホテルではそうもいきません。ロビーで打ち合わせをしただけだと言い訳される可能性があるからです。
探偵は、同じ部屋へ出入りする写真を撮影したり、隣の部屋にチェックインして様子をうかがったりもします。

相手の自宅の場合は?
相手のマンションなど、自宅の場合は、いくらでも言い訳ができてしまいます。ただ部屋への出入りを撮影しただけでは、証拠としては弱いです。
2~3時間以上の滞在時間、部屋にいるのに灯りが消えたときの映像、それらが複数回、こういった条件をクリアすれば、不貞行為の証拠として認められるでしょう。
手をつないだり、腕を組んだりとイチャイチャしている様子が撮影できているなら、不貞行為があったことを推測させる後押しになります。

浮気相手の素性調査
慰謝料を浮気相手に請求するなら、相手の住所と氏名が必要になります。浮気相手の個人情報が欲しければ、対象者と別れた浮気相手を、そのまま探偵が尾行し、自宅をつきとめます。
基本的には、配偶者の浮気調査とは別の調査になるので、別途費用が発生すると考えてください。

調査結果は「調査報告書」で
調査報告書最終的な成果物は、調査報告書になります。誰が、いつ、どこで、何をしたのかが詳細に記録されたレポートです。

写真が添付され、裁判でも証拠として扱えるレベルの物かどうかが重要です。最近では、DVDで動画がつけられることも多いです。

探偵社を選ぶときには、調査報告書のサンプルを必ず確認しましょう。調査員の主観、感想ではなく、客観的な事実のみが書かれているかチェックするといいでしょう。

GPSによる調査は要注意?
小型のGPSが手軽に使えるようになったことで、調査員の少ない探偵社や、個人の業者でも簡単に浮気調査ができるようになりました。
ただ、GPS任せでろくな調査もしない探偵社が増えたのも事実です。GPSは、あくまでも見失わないための補助的なアイテムだと考えましょう。
ある大手の探偵社では、あえてGPSを利用せず、肉眼での尾行に力を注いで結果を出しています。
また、GPSをつけられるのは、配偶者の車だけです。浮気相手の車など、他人の車につけるのは、違法行為となる可能性が高いのです。

夫婦カウンセラーの資格を所有しています。探偵についての疑問や、浮気調査、夫婦関係などについてわかりやすく情報をまとめるよう心がけています。